機械設計に必要な基礎知識とは
弊社ブログの第一号として、「機械設計に必要な基礎知識」と題しまして、機械設計をする上でどんな分野の知識が最小限必要となるかをまとめたいと思います。
(1) 機械力学
”物”を設計する訳ですから、設計対象の構成を考える上でも技術計算をする上でも必須になります。
機器選定の根拠として計算結果を取引先から求められることも多いでしょう。
(2) 材料力学
主に「加工品」の設計や「(一つの機能をなす)ユニット」さらには「設備全体」の剛性を
保証するために、これも力学と同様に大変重量な学問と言えます。
昨今はCAEによる解析も盛んに行われていますが、設計段階である程度成り立つ目途を立たせる上でも
CAEによる解析結果を正しく評価する上でも欠かせない知識となります。
(3) 機械材料・熱処理・表面処理
同じ形状の部品でも「どんな種類の材料なのか」「どんな熱処理や表面処理がなされているか」によって、
その部品の性能は大きく異なります。ステンレス鋼含めた鉄系材料を中心にアルミ系材料や
業界によってよく使われる材料、そしてそれらに対して熱処理や表面処理にどんなものがあるのかを知ることで
コストと性能を両立する設計をすることが可能となります。
(4) 機械要素
機械を成立させるにはベアリング・ボールねじ・直動ガイドといった機能部品や各種モータ、
電動アクチュエータを始め様々な機器を用いる必要があります。これらの機器は進歩が早いので、
メーカーの担当者や展示会等で日々情報を仕入れていくと良いと思います。
特に若い方はMISUMIのカタログを見るのも大変勉強になるでしょう。
(5) 加工法
設計したものは形にできなければなりません。設計したものがそもそも作れるかどうか、
安くできるかどうか、要求精度を満たすことは可能かどうか等、予め知っておくことが重要です。
熟練者の図面を見たり、加工屋・鉄工屋さんとやり取りの中で日々学んでいくものだと思います。
(6) 組付・メンテナンス
”モノ”として完成させるには、組付けのし易さやメンテナンスのし易さも考える必要があります。
(重い部品が沢山あると組付けの方が大変!)図面を出す前に打合せをしっかりしておくことが重要です。
学び方としては「機械力学」「材料力学」については、自分に合いそうな教科書や問題集で
座学で学ぶことがセンスを磨くことに繋がると思います。
「加工法」や「組付・メンテナンス」に関しては、まず基礎に関しては
簡単な書籍やYouTubeの動画で学びつつ、現場の方に相談したり教えて頂くことが何より大事だと思います。
少しでもお役に立てる情報になりましたら幸いです。
2024年05月16日 16:05
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